



エステが脱毛を行うことについて、厚生労働省より、下記の文書が出されました。
この項の漆畑修委員(東邦大学医学部附属大橋病院皮膚科助教授)は、脱毛の方法に「一時脱毛」と「永久脱毛」があり、現在電気脱毛のみが「永久脱毛」のできる手法であり、レーザー脱毛は10年ほど前から始まった手法であるがまだ永久性は確認されていない。と解説をされました。
一方浦能久委員(日本エステティック工業会 レーザーライト研究会会長)は、レーザー脱毛はあくまで「一次処理」と考えている。その「二次処理」として電気脱毛をすればよいと思う。と述べられました。
また事務局(部長)の“レーザー脱毛とは「毛を焼ききる」ということなのか”という質問に対し、浦委員は「毛を焼ききる」のでははく、「毛乳頭などに熱エネルギーを作用させる」と答えられ、また電気脱毛は毛乳頭を変質させてしまう、と回答されました。
これらの質疑応答から、「一次処理」は「一時脱毛」を意味し、「毛乳頭や幹細胞を含む皮脂腺開口部を部分的に破壊する行為」と解釈され、また毛乳頭を変質させるような「二次処理」すなわち「永久脱毛」は厚生労働省によればこのような施術を医師以外の者が行えば医師法第17条違反することになり、このような行為はエステティシャンがなすべき行為ではないと解釈されることになります。
米国では電気脱毛学会が1917年に「permanent epilation」という言葉を作りました。当時頭髪に熱を加えてカールをさせる方法として「permanent perm」なる言葉があり、この手技は永久にカールのかかった髪を作る(パーマ)のではなく長持ちさせるためのパーマという意味でありました。同様に「permanent epilation」も永久に脱毛させるのではなく長持ちさせるための脱毛という意味で出来たのです。すなわち「permanent」となる言葉を「永久」として翻訳した誤りが、現在なお日本のエステティック業界で使われているのです。「永久脱毛」または「完全脱毛」をするためには毛乳頭を完全に破壊するだけでなく皮脂腺開口部すなわち立毛筋の基部にある「幹細胞」を完全に破壊しなければ達成できない。「幹細胞」は毛乳頭表皮細胞である「ケラチノサイト」や「メラノサイト」に分化する細胞であるのでこの「幹細胞」を完全に破壊することは毛が完全に生えてこなくなるばかりでなく、表皮の再生に障害が生じます。肌が綺麗になるために脱毛したのに、乾燥性皮膚炎となって皮膚を早く老化させるばかりか皮膚ガンの可能性も生じることになります。したがってエステティックサロンで宣伝している「完全脱毛」や「永久脱毛」なる行為は医師もしてはならない行為として禁忌としています。
1999年4月25日、日本レーザー医学会は、日本レーザー治療学会後援の「医療レーザー脱毛シンポジウム」を開催し「公開討論会:医療レーザー脱毛のあり方」の抄録集と「公開討論編」と「基調講演編」のビデオ2巻を作成し関係官庁に配布しました。
本学会は、シンポジウムでまとめた「永久脱毛」や「完全脱毛」で、目立つ濃い毛だけを目立たない毛に変える「選択脱毛」または「安全脱毛」を推奨し、このような見地から本学会員の教育や技術の向上を諮っております。なお、本学会では「指導医」、「専門医」、「認定医2種」、「認定医1種」なる資格を経験年数により与え、レーザー治療経験2年以上の「認定医2種」以上の医師のもとで三ヶ月間以上経験をつんだ「看護師」に対し「安全教育講習及び試験」、「医療レーザー脱毛の実技及び学科試験」を行い、本学会とNPO国際レーザー医学連合会の名の下に「認定医2種」以上の医師の指示の下で脱毛できる「医療レーザー脱毛師」の資格を与えています。
一方、日本エステティック研究財団は平成14年12月15日レーザー脱毛症委員会に「医療分野以外のレーザー脱毛のありかた」をもうけ、非医療分野で脱毛を行えるかについて検討しています。また平成16年7月東京都商品等の安全問題における協議会では「エステティックサロンにおけるレーザー等を利用した脱毛機の安全性」について討議しサロン用のレーザー機器の使用を推奨しているが、エステティックサロンでの医師以外での者による脱毛には今回の厚生労働省の見解により禁止されたことになります。